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2006年9月 3日 (日)

ぼけ味

Lens2

[D200 Ai AF DC Nikkor 135mm F2D]

[f2 1/200sec 135mm ISO100]

今回はレンズの話。ふかふかマニアの方は読み飛ばし願いたい。

上の3枚の写真はいずれも新しく買ったDC135mmで同一の絞り値で撮った写真。違いが判るだろうか。

左端が標準のぼけ設定。前ぼけ/後ぼけともに似たようなぼけ味。

真ん中が後ぼけをきれいにぼかす設定。反対に前ぼけはやや固くなる。

右端が前ぼけをきれいにぼかす設定。反対に後ぼけは固い。

このレンズはDCリングという絞りのようなリングを回すことでこのように被写体に応じて前後いずれかのぼけ味を調整することを主な目的として設計されている。

Lens1

[D200 Ai AF DC Nikkor 135mm F2D]

[f2 1/2000sec 135mm ISO200]

DCリングを過剰に回すと上の写真のようにソフトフォーカスレンズのような効果を出すこともできる。ただしこれはこのレンズの主目的ではなくあくまで副産物。ときどきDCレンズをソフトフォーカスレンズとした記述があるがそれは誤解。

Ueno8_1

[D200 Ai AF DC Nikkor 135mm F2D]

[f2.2 1/1500sec 135mm ISO200]

では、どのような原理で前後のぼけ味を調整しているのか。

レンズは、理想的には光線を正しく1点に集める必要があるが現実にはそうならない。これを収差があると言う。

その収差にもいろいろな収差があるが、もっともぼけ味に影響するのが球面収差である。通常のレンズではこの球面収差を前ぼけ、後ぼけがそこそこバランスするように設計されている。

この状態がフルコレクションの収差補正状態である。

このバランスを崩してレンズの周辺部から入射する光線の結像点を前にずらしてやると後ぼけが柔らかくなる。

この状態をアンダーコレクションと言う。

逆に後にずらすと前ぼけが柔らかくなる。これをオーバーコレクションと呼ぶ。

ちなみに前後とも理想的な柔らかいぼけ味のレンズは設計できないのか。このレンズとは全く異なる発想でそれを達成したレンズがある。

旧ミノルタのSTF135mmレンズである。このレンズのぼけ味は最高。

ソニーから復刻されるようで喜ばしい。

Ueno7_2

[D200 Ai AF DC Nikkor 135mm F2D]

[f2 1/500sec 135mm ISO200]

そんなことはどうでも良いからふかふかを撮れ。

とのお叱りの声が。

サービスにナマケモノを掲載。

Ueno6_2

[D200 Ai AF DC Nikkor 135mm F2D]

[f5.6 1/160sec 135mm ISO280]

動物ぼかしてどうするの!!

とぼけマニアに叱責の声が...。

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